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一人親方と個人事業主の違いとは?労災保険 補償の種類や対応方法をご紹介

個人事業主やフリーランス、一人親方で仕事をしている人が増えています。しかし、税務や保険ではわかりにくいところがあります。例えば「個人事業主と一人親方の違いとは?」「一人親方は建設業だけ?」「一人親方は労災保険に加入できるの?」など、疑問はたくさんありますよね。本記事では一人親方と個人事業主の視点からこのような質問にお答えしていき、労災保険の補償の種類や対応方法を解説いたします。そして、組合員を管理する建設労働組合の立場になり、組合員情報、国保収納、労災保険の処理に対応できる方法やシステムをご紹介いたします。

個人事業主と一人親方の違いとは?

個人事業主と一人親方の違いとは、どんなものなのでしょう?まず個人事業主と一人親方の共通点は、個人事業主も一人親方も個人で事業をおこなっている事業主という点です。個人事業主と一人親方は似ていますし、一人親方は個人事業主のカテゴリーにも入るとも言えます。しかし、正確に表記すると個人事業主と一人親方の違いとは「法人を設立せず、個人で事業を営んでいるのが個人事業主」であり、「労働者を使用せずに、特定されている7つの業種で事業を営んでいるのが一人親方」ということです。

一人親方は事業主か?建設業だけ?

「一人親方は事業主なのですか?」という質問の回答は「事業主」です。個人事業主だけが事業主ではなく、一人親方も事業主になります。

法人を設立せず、個人で事業を営んでいるのが個人事業主ですが、開業届を提出する義務があります。最近では企業で認められてきている副業をする人や、個人で事業をするフリーランスも個人事業主と同じ扱いになります。副業をする人やフリーランスが増加している背景から、インボイス制度の消費税納税を3年間猶予する検討にも入っています。

労働者を使用せずに、特定されている7つの業種で事業を営んでいるのが一人親方ですが、開業届を提出する義務があります。個人事業主同様に開業届を提出するメリットがありますので、各税務署に確認をしてみましょう。7つの業種特定は建設業、運輸業等の職業ドライバー、漁業従事者、船員、林業、廃棄物処理業、医薬品配置販売業になります。「一人親方は建設業だけなの?」というイメージが強いですが、労働者を使用せずに、特定されている7つの業種で事業を営んでいるのが一人親方なのです。本記事では建設業の一人親方に関する内容を中心に解説していきます。

一人親方は労災保険に加入できるの?補償の種類も紹介

個人事業主であれば、従業員の雇用制限は特にありません。しかし一人親方は、‘労働者を使用せずに事業を営んでいる’と定められているので、労働者を雇用するのがダメかというとそうではありません。つまり特定の事業労働者を使用する日数、つまり雇用日数合計が100日未満であればOKとされています。建設業の一人親方であれば、家族や友人を従業員として雇用日数合計:100日未満にすれば問題がないのです。

労災保険には一人親方は加入できるのでしょうか?労災保険とは、業務執行中や通勤中の影響や理由により、病気になったり、ケガをした場合に給付できる制度のことです。通勤中に重度の事故にあったり、業務執行中にハラスメントあったりすると「その理由なら労災が下りるのでは?」と知り合いによく言われますが、それこそが労災保険なのです。

個人事業主は、労災保険に加入できませんが、一人親方は、労災保険に特別加入できます。理由は一人親方の業務はケガや事故のリスクが大きいからです。個人事業主はダメでも、一人親方は特別に労災保険へ加入できるようになっているのです。一人親方:労災保険の補償の種類にはどんなものがあるのでしょうか?

【一人親方:労災保険 補償の種類】

療養補償給付 等

休業補償給付 等

障害補償給付 等

傷病補償年金 等

遺族補償給付 等

葬祭料・葬祭給付 等

介護補償給付 等

労災保険については厚生労働省、都道府県労働局、労働基準監督署から「労災保険 特別加入のしおり<一人親方その他の自営業者用>」が配布されています。詳しくは下記URLをご覧ください。

https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/040324-6.html

建設業の一人親方は組合に加入し、組合員になることが一般的です。一人親方側の視点で説明してきましたが、次に建設業の一人親方を組合員に持つ組合側、つまり建設労働組合は、どのような対応をすればいいのでしょうか?

建設労働組合の組合員情報、国保収納、労災保険(事業主労災や一人親方)に対応できる管理システムがある

建設労働組合が組合員の情報を管理するのはけっこう大変です。例えば建設労働組合では組合員の情報や資格情報など、下記のような情報管理が必要になります。

【加入情報管理】氏名、住所、電話番号、職種、組合加入日、組合脱退日、加入理由、郵送先の基本情報など

【組合情報管理】役員、理事、部会の組織情報など

【資格情報管理】組合員の資格情報など

【組合費、支部費等の収納管理】組合費、支部費の収納情報など

このような建設労働組合の組合員の基本情報をEXCELで管理するのは手間ですし、情報漏えい等のセキュリティリスクが考えられます。そして、まだまだ建設労働組合が管理しなければならない情報があります。

組合員は国民健康保険(以下、国保)に加入するケースが多いですが、国保を収納する管理もなかなか大変です。理由は建設労働組合では、組合ごとに加入している国保が違ってきますし、都道府県独自で作っている国保や都道府県をまたがって加入している中央建設国民健康保険などがあるからです。例えば建設労働組合では、下記のような国保収納のための情報管理が必要になります。

【家族情報管理】 組合員の家族で国保に加入する人の情報など

【国保保険料管理】医療保険料、高齢者支援金、介護納付金の情報など

【支払方法管理】 組合員の口座等の情報など

組合員の年齢や家族構成によって国保の種別が変われば、保険料も違ってきます。このような建設労働組合の組合員の国保収納情報を管理し、計算するのはミスが起こるかもしれませんし、国保組合への保険料納付作業も大変です。建設労働組合は組合員の基本情報、国保収納情報だけではなく、まだ管理する情報があるのです。

それは前述した労災保険に関する情報です。組合員は個人事業主の一人親方や少人数の従業員になるため労働保険申請等の業務は負担になります。そこで建設労働組合が代行して、労災保険の申請を行います。例えば建設労働組合では労災保険に関する、下記のような情報管理が必要になります。

【労災加入情報管理】 氏名、住所、電話番号、郵送先の情報など 

【労災保険情報管理】 法人向け労災保険金額の情報など

【一人親方保険情報管理】 一人親方労災保険金額の情報など

【支払方法管理】 労災保険に加入している組合員の口座等の情報など

建設労働組合では組合員の代理になり労働局へ提出する申告書や申告書内訳の作成をし、労災事故が発生したときの給付請求書の作成も行います。各自治体に提出する書類作成は、かなりの事務量になります。建設労働組合は組合員の基本情報のセキュリティ対策、国保収納情報の計算やミス防止、労災保険の申告書類作成の効率化が求められるのです。このような情報管理に簡単に管理できるシステムがあったら、便利ではないでしょうか?

実はパッケージソフトですでに提供されています。

アイサイト株式会社が提供する「組合国保管理システム」と「労災保険管理システム」を導入すれば、実現できます。各システムが連携して、組合員の基本情報管理、国保収納の情報管理、労災保険の書類作成をしてくれるメリットがたくさんあります。

【組合国保管理システムと労災保険管理システムのメリット】 

・組合国保管理システムで組合員情報を一元管理し、登録や修正をすると労災保険管理システムの組合員情報にも連携し変更されます。

・国保保険料、組合費、労災保険料など組合員へ口座振替をする場合、一緒に振替や別々に振替をすることが可能です。

・組合国保管理システムから労災情報が閲覧でき、組合脱退をするときの労災委託解除がされていない確認が可能です。

・組合国保管理システムで入金登録をすると、労災保険管理システムへ反映され収納連携ができます。

このように「組合国保管理システム」と「労災保険管理システム」があれば、組合員の基本情報管理、国保収納の情報管理、労災保険の書類作成が簡単に実現できるのです。イチからシステム開発をせずに、パッケージソフトですので安価に短納期で導入できるところもいいですよね。

まとめ

「一人親方と個人事業主の違いとは?労災保険 補償の種類や対応方法をご紹介」と題しまして、ご紹介してきました。個人事業主と一人親方の違いや、一人親方は7つの業種があることがおわかりいただけたと思います。その中で、建設業の一人親方は労災保険に加入できて、補償の種類もたくさんありました。

そして一番、ご理解いただけたのは建設労働組合が一人親方の組合員の組合員情報、国保収納、労災保険を管理していくのはとても大変だということではないでしょうか?このような建設労働組合管理に対応できるパッケージソフトや管理システムがあるのはメリットです。数十年も利用している古いシステムや、エクセルで管理している建設労働組合はたくさんあります。業務の効率化のために、既存システムの刷新と検討してみてはいかがでしょうか?お気軽にアイサイトの組合国保管理システムと労災保険管理システムについて、お問い合わせをお待ちしております。

◆以下は本文には入れておりません。

また会計システム、建退共システム、共済給付金システムなど別システムへデータを受け渡すこともできるようになります。この機会に組合内で使っている業務システムの見直しをしてみませんか?

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